クリニカルクラークシップ

私の大学では、一回り病院実習をした後、自分で科を選んで4週間×3科を回る事ができました。
この3科の選び方は実に個性が出ます。
「暇な科どこですか?」「○科って放置してくれますか?」「早く帰れる科ってありますか?」「○科って患者持たせてくれますか?「雰囲気いい科ってどこですか?」
などと、"過ごし方"優先でそれに見合った診療科を求める人もいれば、「将来この科に行きたいから」「○科は行かないけど好きだから見ておきたい」「仲のいい先生がいて過ごしやすそう」「奢ってくれるらしい」「見ておけば国試の勉強になる」そして「暇だから国試の勉強ができる」など。

私は、

  1. 担当の患者さんの主治医である研修医の先生にくっついて歩き、担当の患者さんについてはカルテの記載や回診のプレゼンなど主治医もどきをやる内科
  2. 研修医より上だけどまだ班長でもない先生の指導の元、担当の患者さんの全て(指示書書き、検査や食事、処方のオーダー等も)をやらなければいけない内科
  3. 外来見学や予診取り、オペ見学などがメインの産婦人科

を選択。はっきりいって大変です。私は「クラークシップが終わってから勉強を始めよう」と思っていたので、特に暇さなどは考えずに本当に実習をしたい科を3つ選びました。勿論病棟で暇な時間もあるのでその時はその診療科の教科書を読んだりQBを解いたりし、解らないところはすぐに専門の先生に聞く事ができます。この様な時に聞いた質問は先生の経験したエピソードなどが添えられとても印象に残りやすいです。
1週間しかいない5年生の病院実習とは先生方も対応が違うし、こちらも興味があるからその科を選択したと思われているので、多少なりとも予習(初日までにSTEPの最初の正常の部分を読む程度)をしていきました。
5年生の病院実習で予習をしていかなかった私が悪いんですが、予習をしていくと「質問したい事を質問できる」という超メリットがあることに初めて気づきました。勉強を全くしないで病棟に行って分からない事があっても「超基本だったらドウシヨウ」「的外れだったらドウシヨウ」などと思い、思ったままの質問ができません。
多少なりとも予習をしていくと、どこまでが教科書レベルかの検討もつくし、「〜〜って書いてあったんですけど、この場合はどうなんですか?」のような質問ができる。もし質問が教科書レベルだったとしても、超基本さえ分かっていれば、それは「やる気のある学生」として決して逆効果になる事はないでしょう。
いずれにせよこの3つの診療科では国試の勉強の事だけを考えてもとても有意義な実習をさせて頂けました。国試の勉強の為に楽そうな診療科を選ぶよりも、かえって「本当に真面目に実習ができる好きな科」を選んだ方が国試の勉強的にも役立つのではないかと私は思いました。